のんたんの独りゴト

丹野恵美子のブログです。フルートを吹いたり料理作ったりどっかいったりしている記録と、ごまめの歯ぎしりの記録です。

正解じゃなくて最適解

59/n

小学生の頃、習字を習っていたので冬休みの宿題でそれなりに賞をとったりしていたが、ある年度の宿題のお手本で、どうしても私に書けない文字があった。私が認識している習字の「か」の形と違うお手本の「か」があり、形がおかしくてその通りに書けない。お手本でもらった文字がどうしても美しくないのだ。お手本で美しくないことってあるんだろうか?私の目がおかしいのだろうか?困った私はひとまず、その通りに書けるように一旦鉛筆で半紙に書いて、そこから文字を重ねて観察し、本番の半紙にその通りに書く練習をする、というやり方をした。いつもならそれなりに納得するものが書けたのだが、お手本に近づいて来ても納得しない。そして賞も特選ではなかった。そこでわかった。なんだ、習字の宿題は謎解きだったのか、とね。あと、お手本も間違ってることはよくあるってことも。

書写の時間にやった傘子地蔵という単元では、想像して絵を描きなさい、という授業があったが、物語を聞いてもどうしても似たり寄ったりのものしか想像出来ない。制限時間は差し迫っていてもう書くしかない状態になったし、どうしてみんながすらすら書けるのか全然わからない。困った私は書写だけに、さし絵を写すことにした。焦りの中でやっと出てきたちょっとした洒落も、見つけた絵を見た先生にみんなの前で激怒され、ここからの学校生活を想像して絶望しかけた。

小中高と保健室の養護の先生には本当によくお世話になっていたが、保健室にあったどんな本より、私はその先生の言葉が忘れられない。その日も私は保健室にいた。あるトピックで、えみちゃんは、大人が全て正しい訳じゃないってもうわかっているよね?この言葉を聞いて、救われる子供がいるってこと、先生が知ってくれていて本当に良かったと今でもよく思う。

ところで、主人にダウンしかけてごめんね、これからまたコツコツ出来るようにするから、と言ったら、いや、えみさんはそもそもコツコツじゃなくて超コツコツ型だからね?息抜きも、だらーんとすることも必要だからね?うまく力を抜くことが出来るように、試していこうね?とのこと。そうか、主人の疲労回復をサポートするためにはまずは私が回復しなきゃね?そんな理解をした途端、金木犀の香りがした。