のんたんの独りゴト

丹野恵美子のブログです。フルートを吹いたり料理作ったりどっかいったりしている記録と、ごまめの歯ぎしりの記録です。

アナログとデジタル

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今日は火山の本と建築積算の本を読む。アメリカのイエローストーンが噴火したら地球規模で影響を与えるらしい。気温もかなり下がるらしい。

高校受験の時、中学に習っていたピアノの先生が、母に家庭教師を紹介してくれて、実家に来ることになった。私に家庭教師?もう自分でも手に負えないよ?人生詰んでるのに?この1年間でどうにかなるものなのか?と思いながらも初めて来た先生は私の教科書を見て、教科書のいたずら書きを消すところから指導が始まった。私が消しゴムで文字を消し終わるのをずっと見ているのだ。なぜ消すの?けど、緊張感があって手が抜けないし、理由もわからなくて不思議な人だなぁと思っていた。吹奏楽部でトライアスロンの応援演奏に行った時に来ていたゲストの名前が面白くて教科書の絵とバランスを取りながらレイアウトするのがとっても楽しかったから、教科書に何度も文字を描いて遊んでいたのだ。まさか先生にそれらを見られるとは思っていなくて、それが何かを説明も出来なかったから恥ずかしかった。

英語と数学、古文漢文は中学1年生からやり直し、算数なんて小学校4年生の小数点の割り算で挫折したのに、それもやるの?先生はとってもシビアだったんだけど、思ったことをそのまま言うのにズバズバさの加減があってとても面白いし、頭の良さと真剣さみたいなものを感じるからもう言葉が出ない、この人は多分凄い人だし、なんかよくわからないけどわかってくれる人だって感じたから、それならチャレンジしてみようと思えた。勉強の仕方もコツコツ習得したノートは今も取ってある。

先生は途中から私に、今の子達はデジタルだけどあなたはアナログっぽいから不思議だね、とか、脳みそにも出来不出来がありますから生まれ持ったものをやる気でどうにかしようとするのは諦めてください、とか、熱くなりやすいから盲信は絶対にダメです、と言っていた。

それまでは、周りから勉強はやる気があれば出来るものだと言われて来たから、疑いもなくそう信じて来た。だから、え?てかなにその話まじで現実?誰からも聞いたこともないよ?

ってな調子で私の常識はいとも簡単に、しかも毎回打ち砕かれた。もう何それカルチャーショックってか、ただもう生きていけないってこと証明してるだけじゃねー?けど、そうしているうちに私はやる気があっても出来ないことがあるんだってわかって来て、やる気をモチベーションにするのをやめた。そのおかげで丸1年間は自分の現実と頭の悪さにとことん向き合う作業になった。最初の方はとんでもなく苦しかったけど、二次方程式がわかるようになって来てからは、面白さとか楽しさも最後の方には感じられて、先生とも話せるような余裕も少しだけ出て来て私はとっても嬉しかった。また話したいな。

当時から音はアナログの方が好きだったけど、ちょうどその時期はカセットテープからCDやMDなどのデジタルに少しずつ移行している時期で、音質はいいはずなのにどうも音が苦しくて慣れるまでに大分かかった。けど、新しく出たってことは多分そっちの方が優れているんだと私は思っていたから、先生が言う所のデジタルになった方が良いのかなぁと考えた時期もあり、そう言われている人達が羨ましくもあった。けど、デジタルかアナログかは本人にとってはそんなに大切なことではなくて教える方の話だったんじゃないかと今は理解出来るようになった。多分、簡単に納得しないから先生めっちゃ大変だったと思う。