のんたんの独りゴト

丹野恵美子のブログです。フルートを吹いたり料理作ったりどっかいったりしている記録と、ごまめの歯ぎしりの記録です。

ぶっきらぼうで素直なヤツ

26/n

先日友人との会話でやる気というトピックが出て、その時はさほど疑問も持たずに話していたのだが、改めて考えてみるとやる気とは一体何なのだろうか。昔はやる気持ちだと思っていたが最近よく思うのは、やる気力なんじゃないかということだ。なぜなら、そのように捉えるとやる気がないことに対して説明ができるようになるからだ。もしかしたら、若い頃はやる気持ちの意味で、歳を重ねたらやる気力という意味に変化する可能性もあるのではないか?若い頃には知識が少ない分、知性で扱える範囲が多くないため、知性を培うまでは忍耐力ややり切る力が必要だと考えるのは自然なことだと私は思うが、忍耐力とやり切る力についてはまた別の機会に。大人になって知性でカバーできない場合は根性で、根性が出せない場合は知性で乗り切るというバランスをどう理解していくかは大切かもしれない。そうなると、若い頃の環境や状況でどちらを多く使って来たかによって得意不得意があってもおかしいことはないのではないか。それを前提に、今回はやる気力について書いていこうと思う。

恐らくやる気という単語は抽象化されていて、やる気という言葉自体がxである。それが持ちaなのか力bなのかで印象と捉え方が変わる。二元化してみたことでcもdもあるかもしれないことがわかった。話を戻して、やる気持ちがない、と聞くと心の問題で、やりたくないことを我慢してやることを指しているように聞こえるだろう。その場合はやりたくない理由に原因があるし、原因の種類も千差万別なので、解決方法の糸口は具体的な相談かヒアリングである。一方、やる気力がない、に言葉を変えると一番最初に思い浮かぶのは気力=体力と精神力が摩耗している、という捉え方が出来る。

そこで、気力が摩耗している場合の原因を考えてみる。今までの試行錯誤でわかって来たことは食事のバランスと質の良い睡眠は気力を養うための最重要優先事項である。これだけ聞くと、当たり前のことを当たり前に話しているように聞こえるだろう。恐らくこれは私のブログでありがちな、当たり前に聞こえるけど当たり前じゃない現象だ。私は実際、自分が疲れていることを知るのに1年かかったし、人生は病気や事故がなかったとしたらまだまだ続くのだ。この体感疲労の状態で毎日を過ごし続けられるだろうか?という質問を自分にしてみるのが良いかもしれない。

人間の睡眠は若いうちは最低7時間、40歳から50歳あたりからは約6時間の睡眠でよくなると思われる。体力がなくなると眠れなくなるからだ。ちなみに日本では睡眠時間を削って何かをすることが美徳のように捉えられがちだが、そんな美徳、美しくもなんともないと今の私は思う。しかし現実的には本当に必要な時もあるので、その場面限定でスキルを使えるように日々を整えると考えてみるのはどうだろうか。もし、普段から睡眠を削らざるを得ない場合は、何かに時間をかけすぎていたり、時短の方法を検討するための協力体制が構築されていないなど、他に問題がないかを考えてみる。または、睡眠時間を削る必要がある時期を過ごしている場合は、いつまでなのかの期限も考える。人生にはどうしても譲れない時があり、そのためには睡眠を削る必要があることも現実にはあるからだ。しかし人間は生き物であるし、もし身体が強かったら家も社会も組織も知性さえ必要ない。そんなに強い生き物ではないことを自覚しておく必要はあるかもしれない。ちなみに栄養バランスについても、睡眠が足りていないと料理を作る気力がまず出ない。ある程度まではメンタルでカバー出来るが、疲労レベルがある地点に到達すると無理がきかなくなることを受け入れて対策を練ることも大切なスキルではないか。

そして、ホルモンの関係。男性と女性では分泌されるホルモンの種類が違う。単純に話すと男性は一定で女性は2種類交互のジェットコースターだ。しかし、これも睡眠と栄養が足りていないと不安定になる。女性ホルモンは、身体と精神両方の揺らぎが起こる。ちなみに、女性自身も揺らぎをコントロールするために苦労しているし、その苦労が面倒な時だってある。

とまあ、恐らく多くの人が分かるであろうことをまずつらつらと話したのには理由がある。睡眠をちゃんと取ろう、と思ってもなかなかうまく取れない場合にどうするかを考えていかなければいけないからだ。最初のステップは、自分の身体と心の動きを自分で知ることだ。男性のことはわからないが、女性の場合は大きく分けて、とても調子が良い時期と調子が悪い時期が半々くらいであるだろう。調子の悪い時期を出来るだけ快適に過ごすには、調子の良い時期に準備をすることだ。調子の良い時期に沢山睡眠を取り、食事の作り置きをしておくこと、体力が必要なことや面倒なことを先にやっておくと、調子が悪い時期の身体的精神的な揺らぎが減る。調子が悪い時の自己嫌悪はより大きな精神的ダメージにつながりかねないので、それを少なくすることでストレスの原因を1つ減らせるのではないか。理想的なのは、その波をパートナーも理解して調子の悪い時期には特に協力してもらえるようにすることだ。もちろん話し合える関係性が大前提で、自分自身の何が大変でどんな気持ちになるかや体の状態を説明し理解してもらえるように働きかける。その働きかけがきっかけで時短に対する実験の協力体制さえ整うかもしれない。無理をしなくなることで、身体が動きやすくなるし精神的にも楽になるはずだ。

ただ、もし調子が良くなってきても油断せずに睡眠時間は必ず確保することが大切だ。恐らくそのようになった頃には生活リズムの大切さを理解し実行しているかとは思うが、悲しいかな、身体は意識していないとすぐに前のリズムに戻ってしまい、栄養バランスが良い食事を作れなくなり、悪循環に再度足を突っ込むことになる。バランスが良い食事を作り続けることが難しいのは、私の普段の食事の写真を見ていただければよくわかると思う。自分の生活のリズムについて、睡眠時間を確保することに何らかの自己嫌悪がある場合は、ストイックさの種類を変えてみようと考えるのが良いかと思う。疲れた時は昼寝だってしてもいい。その代わりに普段と違うことをやってみようとか、新しいことにチャレンジしてみようといった行動で心のバランスをとっていけば、少しずつ疲労と気力が回復していくのではないかと私は思う。そうは言っても、上の流れは私自身の経験での話だから、必ずしも他の人に当てはまるかどうかはわからないし、育児をしたことはないので、子供が生まれてからの生活環境は私には予想も出来ない。生きて来た環境や背景も違うし、食べられるものや嫌いなもの、アレルギー、得意不得意で個体差は必ずあるのだ。

ちなみに私がこれに取り組んだきっかけは、大好きなインドカレーを美味しく食べたいというのが動機だ。く、食いしん坊バンザイ。虫歯の激痛で最初は嫌々歯医者に通っていたが、気になったことを色々教えてもらったり調べているうちに、自分たちにあった生活はどんなものなのかを考える機会が沢山あったのがよかった。要は入口はなんでも良いのだ。私の場合は、食いしん坊と好奇心の組み合わせでせっかく時間もあるから今なら長期の考察も出来るかもしれないと試行錯誤しただけ。もちろん、今だって全ての答えが出ているわけではないし、思ったように全てを上手くできているわけではない。理想と現実なんて本来大きな差があるものだし、生活環境や状況によっても変わっていくものでもある。なので、少なくとも今自分がこれだな、とかこうかもしれないということが少しずつわかってきただけだということだ。

頭でよいことだとわかっていても、身体はそれを理解してはくれない。体が理解してくれるのは食事と睡眠などの身体のメンテナンスといった直接関わること、頭で考えたストレスの対処が自分に合っているかの答えを出してくれるところだけだ。しかもそれだってすぐではない。ぶっきらぼうだけど素直な身体の不思議。これを愛しいと思えるかは実際確かめてみないとわからないことなのかもしれない。