のんたんの独りゴト

丹野恵美子のブログです。フルートを吹いたり料理作ったりどっかいったりしている記録と、ごまめの歯ぎしりの記録です。

いい勉強

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虫のことを考えていたらパン屋さんの帰りにカマキリを見つけた。いつ鳴くかいつ飛ぶか、と興味があっても近付けない。怖くないと思うギリギリの近さで写真を撮ってみた。距離でわかる通り、私は虫が苦手だ。

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大学時代に住んでいた今はもうない石神井寮で部屋にカマキリが入ってきて鳴いた時に、虫ってこんなに大きな音で鳴くの?とびっくりした。そもそもカマキリを初めて見たし、そんな寮には苦手なあの虫やネズミもいたり、夜帰ってきたら野良猫と飼い猫の間くらいの猫が窓を開けて入っていて、あ?帰ってきたの?今日寒いんだよね。お帰り、なーんて私のベッドに寝ている。うおお、それは窓を施錠していなかった私が悪い。カビ問題とのバランス取れないー。風が吹いて木が揺れたら警報機が鳴っていたし、冷房はなかったので夏は朝起きたら体の形に汗をかいていた。1日にアイス3個食べた日もあった。1年生の頃はフルート科のレッスンのスケジュール取りまとめで夜中のメールと調整も絶えない。世間一般のイメージとかけ離れた生活。仕方がない。眠れない時と暑い時はとりあえず学校に行けばよいのだ、というマインドだ。

もちろん、ネズミは駆除することになり、自治寮の寮委員で会計をやっていた私は、学生課とのやり取りの末、ネズミ駆除の立会いもしていた。みんながやりたがらないことをやる地味な作業過ぎる。まじでカオスだった。しかも、そんなことをやっていたことも特段誰にも言っていない。家賃が安いからっていいことばかりじゃなかったけど、いい勉強にはなった。4年生の最後の方には一刻も早くここから脱出しないと頭がおかしくなると心は切迫していた。

あんな生活は二度としたくないし、色々わかってきてナンバー2というそれなりのポジションでいい給料を貰える時以外は、嫌なことを押し付けられた時に全力で断るようになった。いい人や優しい人はただ損、というか嫌な思いをするだけな場所もあることを悟ったのだ。けど、私はそんな場所だけでないところがあると信じたかったし、今までちゃんと信じて来れた。だから、優しいまま嫌な思いをせずに人生を歩む方法を編み出せたのである。私にとって寮生活は楽しいこともあったが、ただの笑える話じゃなくてリアルに最低だった。けど、だからこそ面倒を見てくれた先輩やお世話になった先輩達に沢山の感謝があるのだ。憧れの先輩達がお下がりの服をくれたり、ご飯を食べさせてくれたり、レッスンしてくれたり、一緒に演奏してくれたり、一緒に考えてくれたり、バッティングセンターやプールに連れていってくれたり、キャッチボール付き合ってくれたり。住環境が最低でも、それ以上の価値があることが沢山あったから卒業出来たなーと今しみじみと思う。友達も然りだ。