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心身ともに疲れた。しばらく休みたい。自分のための時間が欲しい...
昔からよくあった。社会的地位があろうがなかろうが、お金があろうがなかろうが、チヤホヤされて周りにはイエスマンしかいない。誰も注意しない、出来ない。そして周りの人達を少しずつ長年傷つけながら生きている人に出会うこと。
その氷は最初はすぐに割れそうな薄い氷でも、少しずつ層を増して気付くとどんな炎でも溶けないくらいとても、冷たく重い氷になっているのだ。冷え切った私の心を温めるのは親しい人たちとの交流である。
まぁ、この歳になってまさかそんな環境に出会うとは...田舎社会が嫌で東京に出てきたと言うのに、東京もコミュニティの質が田舎と変わらない場所もあるのだ。びっくり仰天である。
しかし、それに流されるか流されまいか、答えはいつも中島みゆきの歌にある。不思議なものだ。彼女はいつも、あの声で私に疑問を投げかけるのだ。
「柔らかな皮膚しかない訳は 人が人の痛みを聞くためだ」(銀の龍の背に乗って)
「全ての水夫が恐れをなして逃げ去っても」「全ての港が灯りを消して黙り込んでも」(宙船)
「西には西だけの正しさがあると言う 東には東の正しさがあると言う 何も知らないのはさすらうものばかり 日毎夜毎変わる風向きに惑うだけ」(旅人のうた)
あぁ、寒い日のほうじ茶のように、傷付いた私の心に、温かく沁み渡る彼女の言葉。
どの業界も、闇が深いことには変わりないのかもしれない。しかし...エリートの意味を少し履き違えている気がしないでもない。どうして?その違和感があるところには私は長く居られないのだ。逆に言うと、皮肉にも長く付き合える相手が自然と決まってくるのである。
一抹の寂しさと、悲しみと...失われた30年の損失を背負う世代は、今更優しくされることなんて求めていないし、期待してもいない。そもそもこの世代は優しくされた記憶なんてないのだ。しかし、せめて敬意を払って頂きたいと思う今日この頃である。